安本 宏 (第15期生 平成18年卒)
上中学校⇒奈良高校⇒京都大学工学部建築学科⇒京都大学大学院工学研究科建築学専攻
その後、鹿島建設株式会社に研究職として就職。地震時の建物の挙動に関する研究開発を行っています。
●はじめに
私は坂本塾に身を置くことで、他の諸先輩方が仰っていることに同じく、「やるときはやる」という哲学を教わりました。また、私が坂本塾に教わったもののうち、物事に対する「戦略」も大きなものであると感じます。そこで僭越ながら、坂本塾の思い出も交えつつ、「やるときはやる」と「戦略」について記します。
●坂本塾との出会い
私は中学2年生から2年間坂本塾にお世話になりました。
入塾のきっかけは単純ですが、自身が中1の頃、坂本塾が一つの目標にしている5教科400点をとったことがなかったからなんです。なので当時坂本塾に通っている友人と話すのは肩身の狭い思いがありました。しかも中学生(特に男子)って、俺勉強してないアピールしますよね。それを真に受けた自分は、勉強してんのになんで俺は400とれへんねやろうか、と悔しい思いをしておりました。
ということもあり、当時からスパルタで有名だった坂本塾に入塾を決意しました。
●坂本塾での2年間
幸いにも入塾テストはパスすることができました。
入塾後の初めての定期テストは5教科410点だったと思います。そんなに良い点数じゃないですが、私にとってはとったことのない点数だったので、成果に結びついたことがとても嬉しかったことを覚えています。とはいえ、塾の友人に「えぇ~ヘボいな~(笑)」とか言われたのは今でも覚えており、悔しかったのでさらに頑張ろうと思いました。
その後も勉強を続けることで、最後は470点くらいまで点数を上げられたと記憶しています。
しかし、ここからが私の言いたいことなのですが、勉強時間は中1のころと大きくは変わっていなかったと思います。変わったのは、緊張感のあるテストを繰り返すことでテスト勉強に何をすべきか理解できたということ、順位付けされる刺激のある環境下であったこと、質問できる優秀な先生方がいたということ、だと思います。つまり、勉強に対する方法が以前とは全く変化しており、勉強は学習時間だけでなく、戦略が成否を分かつということを痛感しました。
単に勉強を教わっただけでなく、坂本塾での2年間は刺激にあふれて楽しかったです。楽しいポイントは次の「坂本塾のPR」でお話しします。
●坂本塾のPR
もしこの文章をご覧になっているのが親御さんであれば、坂本塾のここが素晴らしい!というのを3つお伝えしたいです。
① 勉強のモチベーションが上がる
坂本塾には勉強の楽しさを膨らますイベントが沢山あります。私も勉強が一番楽しかったといえるのは、坂本塾時代だと思います。私が感じていた坂本塾の楽しみを2つ紹介します。
1つ目は、難問を解くなどのファインプレーがあればドラゴン(プラスポイント)がたまって早く帰れたり、逆に宿題の解答で間違いが続いてドクロ(マイナスポイント)がたまったりすることです。中学生の私にはゲーム性があって楽しく、絶対に宿題ではドクロを出したくない気持ちになって1問に何時間もかかった数学の問題もありました。
2つ目は、先生の語りです。坂本塾の先生たちはトークが達者で小話をしてくれます。高校時代の部活や、最近の恋愛話もしてくれて、明るい未来が目に見えるようでよかったです。
勉強は、5教科もあれば、1、2教科は嫌いだと思いますし、「楽しさ」や「達成感」というものは、原動力や息抜きになると思います。ちなみに私は国語が苦手でした。文章読みにくかったらすみません。
② 統一感のない多種多様な教材・テスト
坂本塾の教材・テストは、各教科で厳選しているためか統一感がありません。あるときは市販の教材ですし、あるときは手書きのプリントです。
バリエーション豊かな教材・テストに対して、坂本塾の生徒はそれぞれ違った対応を求められます。この経験から、学校の定期テストでも結果を残すことができるのだと思います。というのも、学校の定期テストは特に教師の色が出ますし、先生に応じた対応が求められます。そういった側面も実戦向きなのだろうと勝手に解釈しています。
③ 健全な成長環境(熱い先生、生徒)
坂本塾の唯一無二なところは、熱い先生と、生徒も全員が熱心であるところです。先述の①②は、他でも真似できるかもしれませんが、これは真似できないと思います。
なぜこのような熱い空気が生まれるか、これは坂本先生の哲学に表れていると思います。坂本先生は、元気がありすぎる体育会系ですが、ひたすら苦労して努力しろという人ではありません。「遊んでやるときはやる」と、よく仰り、また先生自身で体現していることにその信条があらわれています。塾では、テストを通じて結果を求められ続け、順位もつけられ、ヘマをすれば厳しい言葉を投げかけられる、といった厳しい環境であるのにこの熱い空気感が生まれるのは、坂本先生が勉強で成果を残すことに重きを置いているだけでなく、勉強以外の遊び・部活など、生徒1人1人の幸せを親身に考えているからだと思います。これほど生徒の「健全な成長」を促す空気は、他で作れるものではありません。
余談ですが、坂本塾には歴代の生徒の色紙や写真が壁一面に貼られており、坂本先生の生徒に対する熱意・誇りが表れていると思います。
●「やるときはやる」を実践するために
やるときはやるは素晴らしい理念ですが、勉強も部活もあるいは趣味も…と頑張るのは一筋縄ではいきません。年齢を重ねれば重ねるほど、勉強は難しくなっていき、やりたいことは増えていき、果てには労働時間も増えていき…ですので、勉強の頑張り方について、塾生の皆さんに参考になればと思い、2つほど記しておきます。。
1つめは、勉強は自分ひとりで行うものではないということです。
私も仕事柄、教科書や参考書をよく読みますが、わからないものは一人で考えているよりも、人に教えてもらったほうがはるかに理解は早いです。ひとりで悩む時間は無駄とはいいませんが、必ずしも効率的とは言えません。私見ですが、努力だけでは勉強はできません。自分が未熟だと認め、質問する勇気が必要だと思います。勇気そのものが学習能力のひとつです。質問するたび優秀な先人・先生方に知恵を授けてもらって、前に進んでください。
高校に行くと、問題集も自分で選ばないといけない場面に遭遇しますが、問題集こそひとりで選べるものではないです。中学よりも難易度がはるかに高いため、問題集はよりその人に合ったものが必要です。友達や先生、ときにはネットで調べて、自分にあったものを教えてもらいましょう。中高の勉強を通じて、物事一般のとっかかり方や戦略を身につけてほしいとも思います。
2つめは、勉強にはいくらでも効率の良い方法があるということです。
例えば、私は最近海外の研究者とかかわりを持つこともあり、英語の勉強をしています。ですが日々の仕事もあるなかで勉強することは大変です。甘えと言われるかもしれませんが、週末は遊びたいです。
こういう中でうまく勉強できたなと思うのは、スマホアプリでの英語勉強です。これの良いところは、ランダムな出題、誤答の自動整理、音声を聞ける、進捗の自動管理、風呂の中でも勉強(防水スピーカー使用)、コンパクトなど素晴らしい効率性にあります。
英語学習はただの一つの例ですが、お伝えしたいことは、勉強しながらも、遊ぶ時間は作れるということです。記憶力は年々悪くなりますが、勉強のやり方がうまければ、効率は向上すると感じます。
塾生の皆さんは、ただ漠然と勉強していないでしょうか。これから高校,大学と続いていきますが、かならず戦略をたてて勉強してほしいです。戦略とは、どうやって勉強するのか、1日にどれくらい勉強するか、です。中1の私が勉強をできなかったのは、どうやって勉強するか分かってなかったのだと思います。坂本塾はその閉塞を打破するための1歩を私に教えてくれたため、大きな恩があります。
余談になりますが、ドラゴン桜の2期が始まるようですね。私が受験生だったとき、坂本先生が唯一見てよいと仰っていたドラマだったのが懐かしいです。冗談みたいな勉強法もありますが、ご覧になってはいかがでしょうか。
勉強に関して2つの例を挙げましたが、部活動ほかにも同じことが言えると思います。日々進歩している現代だからこそ、色々なやり方を模索し続けることで、「やるときはやる」「遊ぶときは遊ぶ」人になれると思います。
●おわりに
偉そうなことを書くようで重責でしたが、坂本先生から「安本、いけ」といわれた以上、責任をもって書かせていただきました、少しでもお役に立ててればうれしいです。
読んでいただきありがとうございました!
15期 安本宏