船出の場所 坂本塾

谷村 大四郎(1期生 平成4年卒)

谷村 大四郎魁・坂本塾第1期生。彼が小学4年のころからの付き合いです。
光明中学⇒奈良高校⇒日大芸術学部卒のユニークな経歴。
現在は主にTVアニメーションを手がける脚本家。
主な作品はあの 『黒子のバスケ』 『翠星のガルガンティア』 『ダイヤのA』 『メルセデス・ベンツ NEXT A-Class』 等々。

 

【なんと、四半世紀!?】

 「あの」坂本塾が、開校25周年を目前にしている……それはとりもなおさず、自分自身の受験期から同じだけの時間が流れたということ。 あっという間、なんていう貧弱な感想しか出てこない僕と違い先生の四半世紀は信念と情熱の日々だったはず。 ひさしぶりにお会いした恩師・坂本先生に一番弟子の僕から、塾のあゆみといまを伺いました。

【アツき日々!】

谷村:
1期生として思い起こす坂本塾の印象は、何よりもまず坂本先生・講師の先生方・塾生たちの『熱気』です。入試本番に向け、まるで竜巻が成長するように塾生たちのヤル気が盛り上がっていきました。ときに冗談も言いあい、また真剣に問題に挑む……あのメリハリのあるアツい雰囲気こそ、塾をひらかれた先生の想いそのものなんだろうと感じます。
坂本:
大学を出て、銀行に勤めているときからずっと、『理想の塾というもののカタチ』を思い描いてきました。それをどうにか現実のものにできないかと、20代の終わりに坂本塾を開校しました。当初は試行錯誤の連続でしたが、その想いは君たち第1期生を迎えたときからある程度実践できたと思っています。
谷村:
坂本塾には受験知識を詰め込む悲壮な雰囲気はまったくありませんでした。そりゃもう不思議なくらいに……やはり先生の目指す理想のあらわれ、でしょうか?
坂本:
いまでこそ「塾」といえば入試のための予備校ということになっていますが、歴史に登場する数々の「塾」がそうであったように、本来はもっと大きな、もっと大切なものをつかむ場所であるべきだと思っています。入試や勉強は目的ではなく、そのための単なる手段にすぎないと。
谷村:
なるほど。苦しいはずの受験期が熱く楽しい日々として思い起こされるのは、根底に先生のそんな想いがあってこそと、いまにして感じます。

【授業のカタチ】

谷村:
教室の雰囲気はわきあいあいとしながら、ときには厳しい瞬間もありました。たとえば、定期テストの成績が思わしくなかったとか(笑)   そんなとき先生は必ず1対1で話をし、聞いてくれました。その真摯な眼差しをいまも鮮やかに思い出すことができます。生徒には当然学力の差があるものと思いますが、その対応にはどんなポリシーが?
坂本:
『集団授業の形をとりながらも、基本は1対1』 これは坂本塾のゆずれない部分ですね。
谷村:
最初から個別指導ではダメなんでしょうか?
坂本:
君の、そしてご父兄の皆様も自らの小中学時代を思い返してみてください。常に向上心と自信に満ちあふれ、予習復習は決して欠かさず、毎回強い意欲をもって授業に臨んでいた……どうでしたか?
谷村:
うぅむ、少なくとも僕はそんなヤツではなかったです。というか、そんな子どもいるんですかね(笑)
坂本:
まぁ、私自身もまったくそんな生徒ではありませんでした(笑)  そんな中、何よりも大きかったのは『仲間』の存在です。
谷村:
仲間……
坂本:
そう。「あいつも頑張ってる」「俺にもできるか?  できるさ」──助けあい、励ましあい、そして競いあう仲間がいることは、スポーツや音楽、あらゆるジャンルに共通して本当に大切なことです。集団授業はその演出と言えます。坂本塾生のご父兄には学校の先生、塾・予備校の先生が多いのですが、そのあたりのことを日々の現場で熟知されているのだなと感じます。 『こと小中学くらいまでで、個々の能力差など取るに足らない。決定的なのは取り組む姿勢の差である』 生徒全員の取り組み姿勢こそ、まず均一の高いレベルに持っていかねばなりません。 その上で最終的に1対1で弱点を補強する。順番を違えてはいけません。
谷村:
かつての塾生としてとてもよくわかります。教室の仲間がいてこそ自分のレベルが見え、目標がはっきりし、負けん気に火がつく。おそらく人生で一番前向きに勉強した時期ではないかと(笑) だからこそ僕も自信を持って奈良高校を受験し、合格できたのだと思います。

【高校受験のイミ】

谷村:
僕が受験を経験したのはもう25年近く前になるわけですが、奈良県の高校受験事情に変化はありますか?
坂本:
若干の入試制度の改訂や、指導要領の見直しはいままでもありました。しかし根っこのところは私自身の受験時代(もう40年近く前か……) から全く変わっていません。
谷村:
なるほど。そこに確信があることは坂本塾生の合格実績を見れば明らかですね。ホントすごいです。奈高・郡高の合格率が僕らのころと変わっていない。驚異的です。 ……お話ししていてだんだん思い出してきました。そういえば僕、中学の定期テスト前に5教科の自主勉強をした覚えがあまりないんですよ。というのは、坂本塾で普段勉強していれば9割程度は取れちゃうから。そのぶん副教科対策に時間を割ける。おかげで入試直前には体育以外全部5、という通知表をもらったことがあります。 それに教科書の勉強は塾で日々補強しているぶん、読書や趣味の時間を取れていました。中学のころに触れた多くの本や映画はいまも僕の財産になっています。
坂本:
勉強は上級学校に進むためにするのではなく、やはり自分を高めるためにするものだということです。受験は社会へのハードルではなく、大人になるためのハードルたどいうことだと思います。

【高校生だった!】

谷村:
僕が奈高に進学して得たものは数え切れませんが、大きく言えば2つ。1つは部活で演劇をやるようになり、創作劇で小さな賞をもらってお話作りの楽しさを知ったこと。これはいまの仕事に直接つながっています。2つめは良き友人に恵まれたこと。 奈高には優秀でおもしろい人が本当にたくさん集まっていました。高校でできた友だちとはいまでも帰郷するたびに顔を合わせ、つねに10人以上の呑み会になります。 上場企業社員、国家公務員、エンジニア、銀行員、学校教師など、まぶしいほどに立派な大人たち……(笑) 先生ご自身はどんな高校生活を送られましたか?
坂本:
当時としてはわりと当たり前の「荒れた」公立中学を卒業し、奈良高校に入学しました。そこで驚かされたのは、まじめに、ちゃんと、アツく青春や人生を語りあえる仲間の多さでした。
谷村:
あ、そこは同じですね!  一生ものの仲間と出会える場所。公立の小中時代にもおもしろいヤツがいて、それはそれで愉しかったですが。
坂本:
やはり受験を経て入った高校には、自分と「波長」や「感性」の合う多くの仲間がいるものです。ちなみに妻と出会ったのも奈高で、1年生のときでした。私がサッカー部で彼女はマネージャー。ありがちなパターンです(笑)。考えてみれば16の時からですから、長い付き合いです。
谷村:
まったくどうでもいいでしょうが、ちなみに僕も同じです。3年生のときに芝居の男役が足りなくて、運動部からボーイッシュな女の子をスカウトしました。まさか後年、彼女と結婚するとは……(笑)
坂本:
お互い甘酸っぱいですね(笑)
谷村:
社会人になって十数年、やはり高校時代というのは特別なモノだと思いますね。義務教育とも大学とも違う、独特の鮮やかさに満ちた時間と空間。人生の宝物です。
坂本:
私も本当に充実したハイスクールライフでした。そしてすべては環境だな、と実感した経験でもあります。だったら自分の塾をこういう空間にしてやれ、と思ったわけです。
谷村:
坂本塾は、そのお気持ちがしっかり反映された塾だと、心から思います。今回はありがとうございました。

【最後に】

締めくくりに、いまも忘れられない坂本先生からの言葉をご紹介します。

『思い出せない時間を作るな』
何年何月何日に、自分が何をしていたか──それをいつでも思い出せるよう、日々を鮮やかに濃密に生きて欲しい。

 物書きのはしくれとして締め切りに追われる僕に、いまもぐさりと来る言葉です。日々の勉強に追われる皆さんにも通じるものがあるのではないでしょうか?
 これから奈高を目指す人、高校受験に挑もうという人に。
 坂本塾は、勉強はもちろんそれ以上の豊かさを学べる場所です。
 進学、いずれは就職など人生の節目においてはつねに自分を高めてくれる環境を目指してほしい。
 坂本塾はその第一歩、みなさんの佳き船出の場所になると保証します。
 最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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