佐藤 圭悟(9期生 平成12年卒)
上中学校⇒奈良高校⇒東北大学工学部 ⇒ 東北大学大学院工学研究科卒 大学院卒業後 ㈱トヨタ自動車に入社 次世代ハイブリッド自動車に使用する基幹部品の研究開発に従事。
6年弱の勤務を経てトヨタを退社、友人が起業したベンチャー企業WHILL㈱の立ち上げに参画。現在業務全般に携わりながら日々奮闘中です。
【坂本塾での日々】
母親の勧めもあり小6から坂本塾にお世話になりましたが、入ってみてまず驚いたのは生徒皆がとても前のめりで授業に参加していることでした。
坂本塾では先生と生徒が対話しながら授業が進んでいき、その活気がある雰囲気が大好きでした。通っていた公立の小中学校や他の塾とは全く違うものに思えました。このことが影響したのかどうか「何かを学ぶ」ということ自体がとても楽しくなり、塾に行って授業を受けることが楽しみで仕方がなかったように覚えています。
当時の僕は受験や進路というものにとても疎く、中学2年生の半ばくらいまでナコウ、グンコウと言われてもそれが奈良高校、郡山高校を指すことや進学校であることも理解していませんでした。ただ授業が楽しく、その結果としてテストの点数が上がっていくことに達成感を覚えているうちに、自分も先生たちが勧める奈良高校に行けるかも知れないと次第に意識するようになっていきました。
【これから塾に入る皆さんへのエール】
坂本塾に入ったら何も不安を持たずに、ただまっしぐらに目の前のことに挑んで下さい。
坂本塾は生駒の周辺地域で有名なだけではありません。奈良県内で塾を運営する友人が数人おりますが、奈良県はおろか関西地区でも評判であるほど、その実績や手法が評価されています。
坂本塾に通っていた時期をはじめ、高校生活終盤、大学院生時代、トヨタ入社後3年間など自分の力が急激に伸びたな、と思える期間には心から信じられる人のもとで何も疑わず只管に目の前のことに真剣に挑んで行った日々が共通してありました。
それまでの(勉強やスポーツなどを問わず)自分を超えるためには、それまでの自分だったらちょっと違うんじゃないか?と思えることに全力で挑んで行く必要があります。
坂本先生や坂本塾の講師の方々が真剣に語る言葉は少なくとも中学校生活を送るうえでの鉄則ばかりです。何か違うと感じてもまずは全力でやってみる、やってみた後で自分なりの方法を試してみるということを続けていくうちに、何度も自分という殻を破って成長している自分に必ず気付くはずです。
かくいう私も坂本先生の熱くやってみんかい、の言葉に突き動かされた一人。
学業以外の例を挙げると、中学3年生の合唱コンクールで指揮者として最優秀賞をもらったことは今でも強く記憶に残っています。学業以外でも真剣に取り組むことを是とする坂本塾だからこそできた体験だとも思っています。
ある時、音楽の先生から授業の後で個別に呼ばれ合唱コンクールの指揮者をやってみないか?と言われました。今まで楽器など一度もやったことがなく芸術、中でも音楽となるとからっきしダメ。当初は「なぜ自分なんだ?他にも音楽が得意な人は沢山いるじゃないか」と反抗期特有の反応をしてしまいました。
その後教室に帰って友達に話してみると、ピアノをやっていて音楽が得意な女の子が強く後押しをしてくれました。これだけ言ってくれる人がいるなら自信はないけどとにかくやってみようと決意しました。それからプロの指揮者は何をやっているのかを調べ、毎日家に帰っては大きな鏡の前で課題曲を流して腕を振る練習を何度となく繰り返しました。自分は下手だからこそ率直に人の意見に心を開いて動きを考え、自分らしい特徴を敢えて誇張して加え、頭で考えることなく体が勝手に動くまで練習をしました。
その結果、苦手なことで最優秀賞をとれるという自信、また多くの人の前に立っても練習の裏付けがあれば緊張しなくて済む度胸を身に着けることができました。
自分より優れている人がやってみたら?と本気で言ってくれることは一度全力でやってみる。新たな自分を見つけるチャンスを掴めるかは、恐怖心を抑えて普段の自分ならやらないことに取り組めるかどうかです。
全力で、真っ直ぐに、まずは挑んでみて下さい。
【塾で学ばれている方、卒業してすぐの方へエール】
坂本塾の魅力についてはご存知の通りですし、社会に出た後での効用は既に他の先輩方が記述している通りですのでそちらに譲ります。私なりの皆さんへのエールとして、私の失敗事例をお伝えしたいと思います。
正直なところ高校入学後1年間の学業については失敗ばかりでした。入学後の成績は中学時代の貯金で良かったものの半年も経つと成績はどんどん下がっていき、一部の教科では学校内での偏差値が30くらいまで落ちる経験をしました。受験期には何とか入学時と同レベルまで戻すことができて一大事にならずに済みましたが。。。
県内3位に入るほどサッカーに打ち込み、恋愛や遊びにまっしぐらだったことは一因ではありますが、一番大きな原因は坂本塾での自分のやり方に自信を持ち過ぎて自分の高校生活にあった方法を定着させられなかったことにあると今では考えています。
坂本塾の大きな考え方自体は高校生活をはじめ人生全般に意味のあることですが、中学時代にあげた成果やその成果を上げるために日々管理できた目標は坂本塾に多くを頼っていたということが大いにあります。
高校に入ればその部分を自分なりに補う必要がありますのでこの点だけは意識して高校生活を謳歌して下さい。
【坂本先生へエール】
今の私は創業わずか数年、社員数十人のベンチャー企業におります。
トヨタ自動車での仕事もその巨大企業ならではの世界的スケールやインパクトの大きさはとても魅力的で、充実した日々を送っていました。そんななかたまたま帰省した折に、腰が悪く長距離を歩くことが難しくなっていた祖父に「死ぬ前に一度伊勢神宮に行きたい」と言われて連れて行きました。自社のプリウスで難なく訪れることができた伊勢神宮ですが、たどり着けたのはもちろん駐車場まで。。。彼の本当に行きかった本来の目的地までは辿り着けませんでした。石畳や砂利道をかなりの距離移動する必要があったからです。そんな時にふと、人生一度きり、「ある程度は」人々の欲求を満たすことができるクルマというものの課題ではなく、自分が目の前で直面した困難をふまえ、WHILLいう会社で今の社会の課題を解決していこうと決めました。
大きな会社を辞めて自分のミッションに挑むことは容易なことではありませんでした。でも私には坂本先生というかっこよくて憧れる先輩がすでにいたため、どうせ選ぶならアグレッシブで熱い人生を生きてやろうと思い切れました。現在チャレンジの真っ最中です。
坂本先生、いつまでもカッコいい大人でいて下さい。先生の教えだけでなくその生き方は卒業して今なお卒業生に大きな影響を与えています。 ありがとうございました。
佐藤圭悟