水口 愛(旧姓:白本)(第16期生 平成19年卒)
真弓小→上中→奈良高→大阪教育大学→神戸大学大学院→ミズノ株式会社
小学校~大学まで水泳を続けた。
大学院では運動生理学を専攻し、人の体温調節について研究。
現在はミズノ株式会社にて競泳水着の開発に携わる。
東京オリンピック開催の今年、ついに自身初の開発品「GXV」がデビュー。GXV着用選手の活躍を楽しみにしています。
オリンピックに魅せられて
「オリンピックに行きたい!」
スポーツをしたことがある人なら一度は夢見るオリンピックに私も憧れていました。私は小さいころから水泳をしていて、高校・大学では全国大会に出場することができました。でも、レベルが上がるほど自分よりも圧倒的に速い人と出会い、選手としてのオリンピックは本当に難しいことだと痛感しました。それでもオリンピックへの憧れが消えることはなく、選手としてでは無理でも関係者としてオリンピックに行きたいと思いました。
自分には何ができるか悩んだ末に、「オリンピック選手に使ってもらえるものを開発したい」と考えるようになりました。そこで、水泳に加えて人の体について勉強をするため大学院に進学しました。就職試験では「世界記録を出せる水着を創りたい!」という気持ちを熱く語って採用していただきました。
そして現在ミズノ株式会社で競泳水着の開発を担当しています。入社後すぐに水着の担当をさせていただき、いろいろと試行錯誤を繰り返して初めて開発した水着がついに今年発売されました。そう、東京オリンピックモデルです。こんなに嬉しいことはありません。
ここまでたどりつけたのは紛れもなく「勉強も部活も全力で頑張れ」という坂本塾で教わった生き方や、先生方から学んだ「熱い気持ち」があってこそだと思います。
“生きる力”を学んだ塾
坂本塾は友人が「入塾テストを受ける」と言うまで通学路にある塾としか知らず、特に意識していませんでした。1回目の入塾テストは見事に不合格で、2回目でなんとか合格。塾生にはなれたものの小学校の2年間は最下位争いばかりしていました。でも、坂本塾の1学年1クラス制で塾生同士がとても仲良く、また同時に競い合えるシステムは負けず嫌いな私に合っていて、徐々に成績も上がり、勉強が楽しくなっていったことを覚えています。
塾ではもちろん勉強を主に教わりましたが、前述のように坂本塾で得たものは勉強以外の人としての生き方や考え方=生きる力が大きかったです。塾を卒業してから時間の経った今だからわかる、坂本塾で得たこととその良さ・大切さをいくつか紹介させてください。
その①:高いレベルの「当たり前」
- 塾に来た時、帰るときには先生に挨拶する(もちろん聞こえる声で)
- 宿題や持ち物を忘れない
- 時間を守る(ドラゴンためたい)
- ズルをしない、嘘をつかない
- 気持ちのオンとオフを切り替える
めっちゃ普通ですよね。私もそう思いますが、高校、大学、社会人と世界が広まるたびに意外とできていない人が多いことに気づきました。授業中にガヤガヤしゃべる人、宿題や課題を期限内にやってこない人、挨拶をしない人、結構います。
人は環境に慣れてしまうので、そういう人たちと一緒にいるといつのまにかそれが当たり前になってしまいます。一方で、この人仕事できるなーと感じる人や、一流と呼ばれる人はたいてい高いレベルの当たり前は普通にできています。当たり前レベルの高さは「この人なら約束を守ってくれそう」とか「仕事をお願いしたいな」という信頼につながります。
その②:「勉強も、部活も、遊びも100%でやらんかい」
一般的に、勉強+部活+遊び=100%で力配分を考えると思いますが、坂本塾ではすべて全力でやれと教わりました。
「なんで頑張るのか?」
「頑張ったやつにだけ見える景色があるからや」
と当時先生はおっしゃっていて、よくわからんけどとりあえずやってみようと思いました。
そう思い始めて気づいたのは「時間が足りない!」ということです。学校も塾も部活も休まずに行って宿題もして遊びもしたいとなれば圧倒的に時間が足りません。そこで身に付くのが時間の使い方と深~いゾーンモード(つまり集中力)です。話しかけんなオーラを全身にまとい、休み時間や登下校中などにプリント片手に勉強していた気がします(笑)
また、どちらも全力で頑張っていると自然と言い訳がなくなります。「部活やってたから勉強はできない」はダサいと思うようになり、「文武両道」と言える人を目指していました。
このなんでも全力作戦の効果は絶大で、勉強の成績も水泳の成績もぐんと伸びました。先生の言う「頑張ったやつにだけ見える景色」も見ました。
どんな景色か?
それはぜひ自分で感じて確かめてください!
ヒントはそこで出会う人や世界がとにかくキラキラしています。
高いレベルに行けば行くほどスゴくてヤバくておもろい人に出会い、その度にバチバチ刺激を受け、最初はへこたれるのですがいつのまにかそれが普通になってより高いレベルに触れたくなりまた頑張れる。その繰り返しがもうとにかく楽しい・・・。こんな経験ができる生き方は坂本先生の「勉強も、部活も、遊びも100%でやらんかい」の言葉から影響を受けました。
その③:伝わる熱い気持ち、カッコイイ大人の見本
ご存知の通り、坂本塾の先生方はとにかく熱いです。熱いことってすごく大事です。部活の試合に勝ちたい時、何か夢を実現したい時、新しいことにチャレンジしたい時、そんな時に自分がどれだけ熱くなれるかが鍵になります。
坂本塾では先生方の熱さを間近で感じることができると思います。今やインターネットなどで家にいても素晴らしい先生の授業を受けることができるスマートな世の中です。もしかしたら今後はAIが勉強を教えてくれるかもしれません。そんな中坂本塾は今でも白庭台のあの場所のみで教室でホワイトボードとテキストを使ってという非常にアナログな授業をされていると伺いました。これはスマートな今の時代だからこそ、逆に価値のあることだと思います。
また、先生方にとって授業は仕事ですが、仕事をあれほど熱く、楽しそうにしている人は社会では意外と少ないです。当たり前のことを当たり前にでき、仕事も遊びも全力で、熱く楽しそうに仕事をしている。めちゃくちゃカッコイイ大人ですよね。そんな大人たちとこの塾で出会えたことはとても“有難い”ことでした。
最後に
現役生の皆さんへ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
これから先、思わぬところで壁にぶち当たったり心が折れそうになったりすることがあると思います。そんな時は「おっ、来たなドラゴンチャンス」と思ってあれやこれやと試行錯誤してみてください。いつの間にかすっきり解けてドラゴンをゲットできています。「頑張った人にしか見えない世界」を楽しみにして熱く、頑張ってください。
先生方からの愛のある厳しい指導、軽快なトーク、奇跡の珍回答・・・
塾で過ごした何もかもが思い出になります。また、同じ時間を共有し、切磋琢磨した仲間とは何か強い繋がりというか信頼感というか一体感が生まれます。最高です同期。いつか大人になった時に一度集まってみてください。
きっと、楽しいですよ。
坂本先生へ
この度は、このような機会をいただき本当に有難うございます。
塾では5年間お世話になり、卒業して14年が経ちましたが(書いていてびっくり)、ついこの間のことのように思い出せます。先生の熱さ、トーク、授業全部大好きです。
私も負けないぐらい熱い大人になって、先生にご報告できるよう、人生をエンジョイします。坂本塾~大人編~、
ぜひやってください!!