坂本塾の四半世紀に寄せて

中川 清之(1期生 平成4年卒)

坂本塾花の第1期生。
上中学校⇒奈良高校⇒京都大学文学部卒。
現在(株)村田製作所事業企画部上海在住で世界を飛び回る働き盛りのアラフォー。
大学時代には坂本塾で講師も担当。
現在はなんと我が子も坂本塾生。

 

【塾生時代の思い出】

 中二の三学期も終わった春休みの頃、当時野球部で仲の良かった友達がキャッチボールをしながら「坂本という先生が塾を開いた。お前もくるか?」と聞いてきました。その時の私は奈良高校を目指していましたが、当時塾に行っておらず成績も下降気味で、いよいよ中三という時期になんとかしなければ..と思っていたタイミングでした。すぐに入塾試験を受けにいってなんとか合格をもらいました。塾生は中三で15人くらいでしたかね。私の学力は中の上といったところで、奈良高校を目指すなら、まさにこの一学期が勝負といった状況でした。

 当時坂本塾は、現在の新校舎になる前のさらに前で、先生の当時のご自宅の隣の家を借りて、十畳くらいの狭い部屋に机が並んでいる寺子屋みたいな雰囲気でした。坂本先生はまだたぶん20代という若い時で、サスペンダー姿で「まいど!」と飄々と手を挙げて、とてもおもしろい印象だったのを覚えています。また、先生の息子さん(今は「ジュニア先生」として坂本塾でご活躍)も当時まだ幼くて、よく教室に乱入してきては和ませてくれました。「Bebe(べべ)がまた来た~」とか言って…。懐かしいですね。

 「開校1年目だし、寺子屋みたいだし、塾生も少ないし、、なんかこの塾大丈夫かな?」という、初めての授業前に抱いた不安も、授業開始と同時にすぐに吹き飛びました。テキストは洗練されている、授業がおもしろい、無駄がない、頑張ってついていこうという気持ちにさせてくれる…枚挙にいとまがありません。おそらく先生は、絶対の自信と理念、確立したノウハウを持った上で、開校されたんだと思います。そうでなければ、激戦区ともいわれるこの教育熱心な地域において、一期生から奈良高校、郡山高校で過半数という結果は残せるはずがありません。また、授業も楽しいだけではなく、厳しくもありました。夏期講習で宿題が多いときなど、「獅子は、我が子をも谷底に突き落とし、這い上がってきたものだけを育てる、という…」という先生の漫談交じりの叱咤激励もよく覚えています。

 「切磋琢磨」というと若い人はわからないかもしれませんが、まさにそういった雰囲気で、塾生同士競いながら、励まし合いながら、勉強しました。一学期が終わって夏期講習を経て自分自身成長を実感し、二学期には5が7つ以上はあったと思います。充実した中間期末テスト対策、私立受験対策、県立入試対策を経て、絶対の自信をもって奈良高校に合格することができました。

【卒業から振り返って、そして後輩へのアドバイス】

 おかげさまで、とても楽しかった奈良高校時代を経て、大学に入り、坂本塾で講師もやらせてもらいました。厳しくも愛情をもって生徒に接しながら、目のきらきらした多くの生徒たちからもたくさんのことを教わりました。 そして社会人となり家庭人となってもう15年ほど経ちましたが、今振り返って、中学時代の勉強について思うことをひとつだけ述べたいと思います。

『人生の基礎になる』

 よく、「勉強って何のためにするの?」って言いますよね。いろんな解答がありますが、こと中学の勉強に限っていえば、まさに、人生の基礎だと思うんですね。スポーツでも音楽でも基礎練習が必ずあります。野球部なら、「なんで走らされてばかりなんだ、早くボール打たせろよ」とか、吹奏楽部なら、「なんでロングトーンばかりなの、早く楽器吹きたい」とか思ったことありますよね。なんでか?それは基礎練習が大事だから、でしょ。後輩に「この練習が何の役に立つのか」って聞かれたら、「あとで分かる日が来るから」って言うでしょ。それと同じように、中学の勉強って、高校への勉強、大学での専門、社会人での仕事、人との交流、趣味の充実など、これからの長い人生における大事な基礎練習なのです。だから、今は余計なこと考えないで必死に勉強しなさい、って言いたい。

筆者、奥右から三番目。中央に坂本塾長。最右がべべ(現ジュニア先生)

これから高校、大学と進む中で、この基礎がないと何もできません。自分が好きになるかもしれない分野、仕事、趣味も見つけられないかもしれない。中学入って勉強難しいなあ、なんて思っているかもしれませんが、長い人生で言うと、1+1=2、という数式と同じ程度のことを今やっているんです。それができないと、どこへも進めないでしょ。そういうことだと思います。国語はきらい、とか、数学きらい、とか言うのもまだまだ早い。なぜならまだまだ基本練習中だから。全教科きっちりやらないとダメです。頭が悪いと良いとか、そんなものもありません。なぜなら基本練習だから。当たり前のことをしつこく、きっちりとやれば必ずできるようになっているんです。分からないと言って、人より先にあきらめていませんか?単語全部覚えるのしんどいから、ちょっとうろ覚えのままにしていませんか?もうできたと思って、テスト前なのに早く寝ていませんか?基礎練習を中途半端にしてしまったら、それこそ意味がありません。毎日やりきって基礎体力を作ってこそ、盗塁ができるし、ヒットも打てるようになるんですよね。

 高校入ったら、自由な世界が待っています。自分の視野を広げ、興味のあるものに全力で打ち込み、夢をもって成長していってください。それができるためには、今「思考する力」と「学ぶ姿勢」を身につける必要があります。それらを中学時代にしっかり身につけてください。坂本塾は君たちにとって、まさにうってつけの道場になるでしょう。

 この四半世紀を振り返り、坂本塾を通じて学んだ意味は測り知れませんし、自分にとって本当に良い機会でした。坂本塾のこれからの益々の発展と、塾生全員の明るい未来を祈念したいと思います。読んでもらって、ありがとうございました^^

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