成田裕明(8期生 平成11年卒)
坂本塾 第8期生、不動のエース。
上中学校⇒郡山高校⇒神戸大学文学部卒。
(株)電通 東京本社勤務。入社以来テレビ朝日系列のメディアコンテンツ業務に携わる。現在は味の素(株)を担当。
神戸大学在学時には坂本塾で教えてました。
小学校から真弓パンサーズ⇒上中野球部⇒郡山高野球部⇒神戸大野球部とバリバリの体育会系男。
社会人となった今も社内野球チーム・クラブチームの2チームに入り継続中。
一回、入塾テスト落ちました。
坂本塾との出会いは、小学校3,4年位だったと記憶しています。
当時少年野球チーム(真弓パンサーズ、今もあるみたいですね!)に入っていて、1年上の人達が練習の後そそくさと帰るのを見ていました。母に「みんな急いで帰ってどこ行ってんの??」と聞いたところ、「坂本塾に行ってんのよー。」と言われ、それが、『坂本塾』の存在を知った最初でした。
私も後に中1から坂本塾にお世話になることになるのですが、それは一回目入塾テストに落ちて、二回目のテストで、ギリギリ拾われての入塾でした。
今思えば、拾われてほんまによかったです(笑)
坂本先生、ほんまにありがとうございました。
『坂本塾』=最初の“社会”
今もそうだと思いますが、塾の席順は「成績の良い順に前から座る」ルール。
当然入塾テストでギリギリ拾われた私は、中学1年の半年くらいはずっと後ろの席(というか最後列)であったと記憶しています。
しかもクラスには(これは中学から入った者でないと分からないかもしれませんが)、“生え抜き組(=小学生から塾に通っていたエリート軍団)”みたいな奴らがおり、それこそ“入塾テスト二回目でギリギリ拾われた”私は、彼(彼女)らに対して相当な「反骨心」、「雑草魂」がありました(笑)
なので「志望校(=郡高)に行きたい」というよりは、「“生え抜き組”と同じ列の席に座りたい」という一心で、しこたま勉強した気がします。
社会人になり、どんな会社に入りどんな仕事をすることになっても、結局自分を含めた人のモチベーションなんてものは、案外そういうところにある気がします。そういった意味では、私にとって坂本塾は、今思えば自分の中で最初の“社会”であったように思います。
「志望校合格」より「反骨心」や「雑草魂」に駆り立てられ勉強した私は、三年間の坂本塾生活を終え、無事志望校であった郡山高校に合格。
郡高を志望した唯一の動機である“野球部に入り甲子園出場を目指す”こととなりました。
(読み飛ばしていいです(笑))坂本塾以降~高校〜浪人〜大学〜現在まで
高校二年時に夏の甲子園に出場。とはいっても1年上の先輩達に連れて行ってもらっただけで、自分の代の夏は散々な負け方(=投手であった自分のふがいないピッチングで敗退)で高校野球を終えました。
その後、一年間の浪人生活を経て志望校の神戸大学に進学。
大学でも体育会硬式野球部に所属し野球を続け、大学三回生からは主将も務めました。
神戸大学を卒業後、2007年電通に入社。以来東京在住で現在に至ります。
「モテる男」は、生まれながらにしてモテるのか?!
前述の通り、私は大学時代野球部の主将を務めました。
その当時、練習終わりに部員たちによく言っていた(偉そうですね)のが「『何をするか』ではなく『どうするか』」という言葉でした。
今思えば、自分がこう思うようになったのは坂本塾での日々の影響が大きいと思います。
今もそうでしょうが、私が塾生だった頃・私が講師をしていた頃も、坂本先生を筆頭に、
「勉強以外の部活や学校行事、恋愛何でも全力で頑張れ」
と言われ続けました。
勉強を教える“塾”やのに(笑)
他にも「坂本先生語録」みたいな名言は数多くありますが(笑)中学を卒業して今に至るまで、私の人生を貫いているのが坂本先生のこの言葉です。
「青春は短い。今は何でも全力でやれ」
自分が塾生だった頃は、たまに先生がしてくれる恋愛の話を真剣に聞いたし、自分が講師をした時は、恥ずかしながら自分の恋愛や自分の野球への想いについて、塾生に真剣に語ったりしたものでした。
「何をするか、ではなく、どうするか」という、私が大学時に言っていた言葉と、「何でも全力で頑張れ」という、坂本塾の教え。一見異なるようで、同じことを言っていると私は思います。
「何を(=What)するか」、というのは、私で言うと、
・ 勉強
・ 野球(部活)
・ 遊び/恋愛
・ アルバイト/仕事
といったことです。(これまでの人生、これくらいのことしかしてません…。)
対して、「どう(=How)するか」、というのは、例えば勉強だとして・・・、
・ 勉強量&質を落とさずに、部活にも力を入れるにはどうすれば…?
・ 一度覚えたことを忘れないようにするには…?
・ 試験本番時に、勉強してきたことを100%発揮するには…?
といった、いわば「手段」や「方法」みたいなものです。
「何を(=What)」するにも、自分を高めようとして「どう(=How)」すればいいかと悩み、考え抜くことが大事だと思います。
そうしていくとどうなるか?
「手段」や「方法」を考え抜いていくうち、それらは自分の“スタイル” (スポーツでいうところの“メンタル”に近いです)になっていきます。
そしてそれは、ゆくゆくは自分の『価値観』、もっと堅苦しく言えば生きていく上での自分の『哲学』になっていくのだと思います。
ここで男子生徒諸君に問いたいのですが、周りにもいるのではないでしょうか?勉強もできるしスポーツも万能、そのくせ女子にもモテる…みたいな奴が。彼は、我々と生まれ持ったモノが違う、我々からすると手の届かない奴なのでしょうか?
私は、そうではないと思います。
おそらく彼は、「どんな(勉強・スポーツ・恋愛)」の分野であっても、自分のポテンシャルが「どうすれば」最大限まで引き出せるのかを知っているのだと思います。そして、努力を惜しまないのだと思います。
そんな「自分を高めようとする姿勢」が女子に評価され、結果モテるんだと思います。あくまで個人の感覚ですが(笑)。
勉強じゃなくてもいい? はい、そう思います。
ここまで聞くと、皆さんの中にある疑問が生まれると思います。
「ってことは、することは別に何でもいいんじゃないか?」
「ぶっちゃけ、勉強じゃなくてもいいんじゃないか?」
といった疑問です。
その疑問に対する私の答えは「Yes」です。
勉強でなくても、努力を惜しまないのであればすることは「何でもいい」と思います。
但し、2点だけ皆さんの心に留めておいて頂きたいことがあります。
1点目は、「環境が人を変える」ということです。言い換えると、「人は弱い」ということ。
例えばあなたが勉強ではなく、今「お笑いの道で生きていく!」と決めたとします。
前述の通り「することは何でもいい」のですから、あなたのその決断は何も間違ってはいないですし(少数派という意味で)むしろ周りに流されない、素晴らしい決断だと思います。
但し、その道で生きていくには、前述の通り、「その道で努力を惜しまない」ことが必要です。
また、勉強というフィールドでは用意されている義務教育や「坂本塾」のような素晴らしい環境もありません。
それでもこの世界で生きていくんだという、断固たる・強い意志がどうしても必要です。
2点目は、「親への感謝」です。
あなたがどんな道を選ぼうとも、あなたの親はあなたを応援し、惜しみない愛情をあなたに注いでくれるでしょう。
私の親でいうと、坂本塾のある日は部活終わりの私を車で中学まで迎えに来てくれ、その車の中で母が作ってくれたおにぎりを食べ、家に帰ってすぐ着替えて自転車で坂本塾に向かい、私が塾に行っている間に母はその日の野球のユニフォームを洗濯し、塾が終わって帰れば晩ご飯が用意されていました。
今思えば、言葉ではない「エール」を親から送ってもらっていたのです。
どんな親でもあなたが不幸になることは決して望んでいません。また、あなたの親は親である前にあなたよりも長く生きている「人生の先輩」です。
親に感謝するとともに、親の意見に耳を傾けることも忘れないでいてほしいと思います。
最後に、イチロー選手の話。
長々と書きましたが、最後にイチロー選手の言葉を紹介したいと思います。
彼はスーパースターなので、当然メディアに対し発言を求められることが多いのですが、ある時彼がインタビューでこんな発言をしました。
「(期待はいくらかけてもらっても構わないんですけど、)僕は僕以上の力は出せないので、自分の力を目一杯出すしかない」
この言葉を聞いて、皆さんはどう感じるでしょうか?
どこまでも謙虚で、謙遜した言葉と思うでしょうか?
過度な期待をかけてくる、マスコミへの牽制の言葉と思うでしょうか?
私は、そうは思いません。
一つのこと(=What、ここでは野球)に対して、どう(=How)すれば高みへと行けるかを徹底的に考え抜き、自分自身の限界と向き合い続けた人の自信に満ち溢れた言葉のように感じます。
皆さんもご存知かもしれませんが、彼は小学校の頃から「プロ野球選手になる」という目標を持っていて父親(昔はメディアで「チチロー」なんて呼ばれていました)と二人三脚で猛練習に励んでいたわけですが、実は中学までは常に勉強で学年トップでした。そのまま高校も進学校に進めば東大合格も夢ではない!と言われていましたが、彼は地元愛知で野球強豪校の愛工大明電高に進学します。
ここでイチロー選手の凄さについて語りたいわけではありません(笑)
ここからは私の私見になりますが、今や世界でもトップクラスとなったイチロー選手の礎を築いたのは、父親と二人三脚の猛練習に日々励みながら勉強で学年トップを維持し続けた中学までの生活にあるのでは、、、と強く思います。
(その後のイチロー選手の努力も当然ありますが。)
限られた時間を有効に使い、自分のポテンシャルを最大限に引き出す努力を中学時代に続けたことが、その後のイチロー選手を築いたと思います。
それだけ、皆さんが今をどう過ごすかは、とても重要だと思います。(青春は短い)
まだまだ若輩者ですが31年間生きてきてこれまで自分がしてきたことは、“What”の部分では「全く繋がっていない」と思います。
少なくとも自分がこれまで力を入れてきたこと(野球・勉強)は、直接は現在の仕事(広告)とは全く繋がっていません。
ホームランを打てようが速い球を投げれようが、仕事には全く活かされません(当たり前です)。
でも“How”の部分では、「全ては繋がっている」ように感じます。
そういった意味では、例えば坂本先生が自分と同じ広告業界で働かれているとしたら、オレは先生に勝てるだろうか? とか思ったりします。(ここまでくると「何言ってんねんこのオッサン?」って感じだと思いますが(笑)。)
大人になって皆さんがどう感じるか楽しみです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!