高岡祐子(11期生 平成14年卒) 弁護士登場~!
坂本塾第11期生。 上中学校⇒帝塚山高校⇒立命館大学⇒同大学法科大学院卒業。
後に司法試験合格を経て、現在東京で弁護士として離婚や相続などの民事事件や刑事事件を主に担当し活躍しておられます。
入塾のきっかけ
小学校の頃かなり真剣にピアノを習っていた私は、将来は音大に行くものと思っていました。でも中学に入った頃、ふとこれからの長い人生このままずっとピアノだけというのもおもしろくないなと思い、1度勉強も思い切りやってみようと考えました。
坂本塾を選んだのは母の薦めだったと思います。なんとなく厳しい塾だとは聞いていたのですが、どうせやるなら、という思いとどんな風に学べるのかなというわくわくした気持ちを抱いていたのを覚えています。
坂本塾について
(1)坂本先生
私はとにかく、坂本先生が大好きでした。
頭が良くて、授業がおもしろくて、そしてなにより本当に塾生のことを考えてくださっているのが伝わる熱い先生でした。坂本先生の話を聞くとなぜか自然とがんばろうと思えたのを覚えています。こんな先生は後にも先にも坂本先生だけでした。
坂本先生の人柄について印象的だったエピソードがあります。
中3の夏ころだったか、社会のまとめノートを作るという宿題が出たことがありました。
まとめノートは確か1冊1ヶ月半くらいかけて地理、歴史の全範囲について作成するもので作業は結構骨が折れました。
私は提出に遅れないようにと思い、なんとかがんばって提出期限の1週間くらい前にまとめノートを作り終えていました。しかし肝心の提出の日にノートを持って行くのをすっかり忘れてしまったのです。
私は「やばい、忘れたって嘘ついて提出を先延ばしにしようとしてると思われたらいやや」と思いながら坂本先生に忘れたことを伝えたところ、坂本先生は「あー来週でええよ」とおっしゃったのです。それでも私は本当に作り終わっていたのでどうしてもその日にノートを提出したくて(笑)授業が終わるころ母に持ってきてもらい、坂本先生にノートを渡しました。すると先生は提出期限をわざと遅らせようと嘘をついているんじゃないかとか勘ぐった様子は全くなく「来週でええってゆーてんのにー」とノートを受け取られました。
そのとき私は、坂本先生はほんまに私のことを信じてくれてはるんやな、と思いました。そしてこの人に嘘はつかんとこう、と思ったのを覚えています(宿題持って行き忘れても怒られないというエピソードではないので注意(笑))。
坂本先生が塾生を本当に信じているからこそ、塾生は坂本先生を信じてついていけるんじゃないかなということだと思います。
(2)坂本塾で学ぶこと
坂本塾ではテストも多いし、結構がんばって勉強しましたが「辛かったなあ」という記憶はあまりないです。学校のテストでは全科目何点取れ~という風に明確に目標が定められていて、その点を獲得するためにはどこをどうがんばったらいいのか考えながら勉強をするのはもはや楽しみでもありました。。。
塾をアピールするときに、普通はね、「テストの点が上がります!」だとか「良い学校に入れます!」とかなんだと思います(実際、坂本塾で学んでいたらテストの点は上がるし、良い学校にも入れます)。でも坂本塾で本当に得られたものはテストで点が取れるようになるとか、そういう目先のテクニカルなことではなかったと思います。
私は坂本塾を卒業した時、達成感と充実感でいっぱいでした。坂本塾で学べて本当によかったなと思ったのを覚えています。あの達成感や充実感はここで言葉にして理屈で説明するよりも実際に塾で学んでそれぞれに味わってほしいなと思います。
なぜ勉強して、良い学校に行くのか
坂本塾にいたらレベルの高い学校に行くという目標も自然とできていましたが、子どもだった私は、心のどこかでなんで勉強して良い学校に行くのか?本質的にはわかっていない部分もあったように思います。しかし大人になった今、少しわかったことがあるのでお話したいと思います。
端的に一言でいうと、「そこにいる人が魅力的」だからです。
勉強は学生がやらなければならないこととされている最たるものだと思います。人間みんな、やらないといけないことをやるのはしんどいですよね。やらないといけないことから楽な方に逃げるのは簡単です。でも、そこでやらないといけないことをちゃんとできる人って、やっぱりカッコよくないですか?
みんながしたくない、でもやらないといけないことを、精一杯できる人って単純に魅力的なんだと思います。だから中学生という若さでやらないといけないことをきちんと見極めて努力できた人たちが行く、レベルの高い学校には自然と魅力的な人が集まるんだと思うのです。
これまで私が生きてきた中で、自分の力精一杯で入ったと思うカテゴリーには不思議と、自分よりもいろんな意味でレベルが高い、魅力的な人がたくさんいました。
逆に自分が大して努力しなくても入れたカテゴリーには、尊敬できる人、魅力的だと感じる人は少なかったです。
これは大人になって気づいてから、なんでもっと早く誰か言ってくれなかったんやろうと思ったことなので、今読んでくださっている誰かの頭の片隅にでも止まったらいいなと思います。
人生でどんな人に会えるかは本当に財産だと思います。どんな人に会えるかで経験することも変わるし、同じように経験する出来事の意味も変わると思います。魅力的な人は刺激をくれるし、純粋に一緒にいて楽しいです。それに自分が素敵な人間になりたい、そのためにがんばりたいと思ったとき、がんばれない人たちの中で自分1人がんばるよりも、がんばるのが当たり前の環境でがんばる方が絶対楽です。
そういう意味でも、一緒に向上できるような魅力的な人がたくさんいるカテゴリーにいることにはとても意味があると思います。
自分が精一杯がんばって辿り着いた先には、絶対に魅力的な人との出会い、ひいては魅力的な出来事があります。これは本当に断言できます。
学べる環境があるということ
私は弁護士という仕事柄、本当にいろんな人に会います。
刑事事件の接見に行ったら、まさにドラマで見るような真ん中の丸い部分に穴が開いたアクリル板越しに依頼者である被疑者と話をします。
みなさん日々犯罪のニュースなどを見て、どうしてこんなことをするんだろう、信じられないと思われることばかりかと思います。それはある意味当たり前で、実際そういう犯罪を犯す人は、みなさんが想像もできないような環境で育った人が本当に多いです。
特に少年事件などは、みなさんが「普通」と思っているような家庭環境の子は極めて少ないと思います。
両親がいて、兄弟がいて、友達がいて、健康で、いつもごはんがあって、帰りが遅かったら親が叱ってくれて、塾に行かせてくれて、当たり前のように勉強できる環境は、実は本当にありがたいのです。
どのくらいありがたく、かけがえないかは、今はわからないかもしれないけど、できれば今の恵まれた環境に感謝して、感謝できなくても存分に利用してください。
今のみなさんの人生はこれからどうにでもなります。でもそれは良くも悪くもなんです。是非、今のその有利な環境を活かして伸びてください。人生は大変っていうけど、がんばればがんばった分、いろんなことがあってとても楽しいですよ。
最後に
今でも坂本先生があの場所で熱い授業をされていると思うと、なんだか心強いです。
今回塾に通っていたころのことを改めて思い返してみて、本当に素敵な心に残る経験をさせていただけたなと改めて思いました。本当にありがとうございました。
そして、坂本先生、これからも私の大好きな坂本塾を、よろしくお願いします!
高岡祐子